福岡市を構成する7つの行政区の中でも、多くの自然に囲まれている「城南区」は、ファミリー層を中心に人気が高まっています。
しかし、移住前に治安や住みやすさを調べておく必要があり、治安が悪いエリアがあるのであれば、避けたいと考えるのが一般的です。
今回は、福岡市城南区の治安や住みやすさを福岡市民が解説します。
福岡市城南区の治安を細かく解説しながら、城南区に住んだ方の口コミや犯罪発生件数、家賃相場などを、実際のデータを元にわかりやすくご紹介しています。
城南区を中心に移住を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
福岡市城南区の治安は良い?悪い?
福岡市城南区は、福岡市を構成する7つの行政区の中でも、特に治安が良いエリアとして移住者からの人気も高く、安心して暮らせる環境が整えられています。
近年、九州大学の六本松キャンパス跡地の再開発が進んだ「六本松」の影響もあり、北側の都市開発が盛んに行われている城南区は、主にファミリー世帯から絶大な人気を誇るエリアです。
子育て環境の整備やインフラ設備の強化など、街の機能が整えられている中で、治安の良さにも磨きがかかっています。
城南区は、北側と南側で雰囲気が異なっており、北側は鳥飼や別府といった次世代型の建物が多く並んでいるエリアが多い印象を受けます。
反対に、南側は歴史ある建物や商店街も多く、田舎の雰囲気があるエリアです。
都市開発の影響を受けていない南側では、今でも街灯が整備されていない細い道や人通りが少ない場所もあるため、油断は禁物です。
また、福岡大学や中村学園大学といった教育機関が充実しており、学生でも安心して住める雰囲気もありますが、学生の話し声などの騒音にも気を付ける必要があります。
城南区に住んで「治安の悪さ」を感じることはごく稀ですが、住む場所によって騒音や暗い道など、別の部分で左右されることを覚えておきましょう。
実際に城南区に住んだ経験がある方の口コミまとめ
ここからは実際に城南区に住んだ経験がある方の口コミを、デメリットを含めながらまとめてみます。
主に、別府駅や七隈駅周辺に住んだ経験がある方の意見を中心に、メリットとデメリットをまとめてみました。
実際に多く見られた意見としては、学生が多く、治安の悪さを感じることはないといった意見が大多数を占めていました。
また、治安の良さの他にも、自然環境が充実している点も高く評価されています。
反対に、学生が多いのは良いことだけど、話し声やバイクの音が夜中に聞こえる点が気になる方が多くいました。
また、住宅街が多い城南区は、レジャー施設が少なく、子供を遊ばせられるような施設へアクセスするには、自家用車が必須といった意見も見られました。
あくまで、住むための「ベッドタウン」としての認識が強く、全てが揃っているような万能なエリアではないことを覚えておきましょう。
城南区の住みやすさとは?
ここまで城南区の治安についてまとめてみましたが、城南区は福岡市でも屈指の住みやすさを誇るエリアとしても有名です。
ここからは城南区の住みやすさを、実際のデータを参考にしながら詳しく解説していきます。
利便性
城南区の利便性は、地下鉄七隈線が利用できるかどうかに左右されるため、住む場所によって利便性は大きく異なります。
例えば、別府や七隈など、地下鉄の駅が利用できる範囲に移住する場合は、自家用車を所持していなくても、移動が簡単です。
しかし、飯倉や長尾など、少しでも地下鉄の路線から離れてしまうと、利便性の良さを感じられない可能性が出てきます。
とはいえ、利便性の低さはデメリットとして認識する方が多くいますが、大学生が住みにくいエリアは、ファミリー世帯が多く、静かに暮らせるといったメリットもあります。
大学生があまり住んでいないエリアは、夜でも比較的静かに暮らせる環境が整えられているので、静かに暮らしたい方は、七隈線から少し離れたエリアもおすすめです。
地下鉄七隈線は、2023年3月に博多駅までの延伸工事が完了し、大きな利便性の向上が認められています。
城南区の利便性は、中央区や博多区にも劣らないほど発展しているため、利便性に関する心配は必要ありません。
犯罪発生件数/犯罪発生率
城南区は、福岡市を構成する7区の中で、最も人口が少なく、発生している犯罪の件数も非常に少ない数値に落ち着いています。
実際の城南区の犯罪件数・犯罪発生率を福岡県警察が公開している「福岡県刑法犯市区町村別認知件数」からまとめてみました。
福岡市の行政区 | 人口(令和6年6月登録人口より引用) | 犯罪発生数 | 犯罪発生率 |
---|---|---|---|
城南区 | 125,391人 | 433件 | 約0.35% |
博多区 | 232,722人 | 1,454件 | 約0.62% |
中央区 | 195,114人 | 1,249件 | 約0.64% |
南区 | 262,458人 | 718件 | 約0.27% |
西区 | 204,699人 | 763件 | 約0.37% |
東区 | 315,373人 | 1,177件 | 約0.37% |
早良区 | 219,552人 | 568件 | 約0.26% |
実際の数値を見てみると、犯罪の発生件数だけ見ると最も少ない数値を示していることがわかります。
また、人口に対しての犯罪発生率も非常に低い数値で、安心して暮らせることが判明しました。
犯罪発生率だけを見ると、移住者から高い評価を得ている南区や早良区も安全な街ですよね。
治安の良さを数値化することで、他のエリアの治安も把握できますので、移住地に悩んでいる方は上記の表もぜひ参考にしてください。
家賃/マンション相場
城南区は、近年の都市開発の影響により人気が高まっているため、家賃/マンション相場もやや高めの値段が設定されています。
実際に、城南区の家賃・マンション相場をホームズの「福岡市城南区の家賃相場情報」から、中古マンションの価格をダイヤモンド不動産研究所の「福岡市の中古マンション相場」から引用して比較してみます。
ワンルーム | 1LDK | 2LDK | 中古マンション価格(平均) | |
---|---|---|---|---|
城南区 | 53,600円 | 85,800円 | 143,400円 | 2,979万円 |
早良区 | 58,300円 | 79,700円 | 137,800円 | 3,361万円 |
博多区 | 60,200円 | 78,300円 | 123,300円 | 2,974万円 |
中央区 | 58,400円 | 95,900円 | 167,000円 | 2,699万円 |
西区 | 48,800円 | 64,800円 | 97,900円 | 3,516万円 |
南区 | 48,900円 | 77,900円 | 110,300円 | 3,193万円 |
東区 | 51,900円 | 69,700円 | 87,500円 | 2,329万円 |
エリアによって価格はピンキリですが、平均値を見てみると、城南区は中央区に次ぐ価格が設定されていることがわかります。
特に、ファミリー向けの間取りである「2LDK」は、かなり高い値段を示しており、価格からも人気度が伺えます。
対して、中古マンション価格はそこまで高い印象はなく、平均的な値段を示しています。
また、一人暮らしで人気の「ワンルーム」も価格が抑えられており、一人暮らしに適している環境が整えられています。
土地価格
城南区は、一戸建てを土地の購入から行う「注文住宅」を仮定した場合、比較的安い価格に抑えられます。
実際に、ダイヤモンド不動産研究所が公開している「福岡県福岡市城南区の土地価格・相場」を元に、博多区や中央区など他の行政区とも比較してみます。
土地価格(平均) | 坪単価(平均) | |
---|---|---|
城南区 | 3,005万円 | 50万円/坪 |
早良区 | 5,064万円 | 84万円/坪 |
博多区 | 6,127万円 | 92万円/坪 |
中央区 | 8,125万円 | 128万円/坪 |
西区 | 2,872万円 | 40万円/坪 |
南区 | 6,162万円 | 93万円/坪 |
東区 | 3,066万円 | 44万円/坪 |
実際の数値を比較してみると、西区・東区と同様に、比較的安い価格で建てられることがわかります。
近年の都市開発の影響を強く受けている城南区は、一戸建てを建てる場所として多くの方に選ばれており、選ばれる理由として「価格の安さ」も大きく関係しています。
また、西区や東区にも、城南区のような一戸建てが並ぶ住宅街が多く見られるため、一戸建ての購入・建設を検討している方は、一緒に検討してみるのがおすすめです。
子育て環境/教育環境
城南区には、福岡大学や中村学園大学をはじめ、主要な教育機関が集まっていることから、城南区の子育て環境は他の行政区よりも充実している印象です。
教育機関の数も高く評価されている城南区ですが、大通りを外れると交通量が少なく、小さなお子様を連れても安心して歩けるといった部分も評価されています。
また、自然に触れ合いながら子供を遊ばせられる公園も多いので、子育て世帯にはぴったりの環境が整えられています。
都市部に住むと、子供を遊ばせられる場所がなく、子育てがしにくいと感じる方が多い一方で、城南区では安心して遊ばせられる場所があるのは嬉しいですね。
福岡大学病院をはじめ、多くの小児科や内科、外科が完備されている城南区は、子育てを機に移住を検討する方にぴったりです。
お出かけスポット/ショッピングモール
城南区は、福岡市の中心部に位置しており、自家用車を使って幅広いエリアへアクセスができる点が魅力です。
住みやすさの指標にもなるお買い物ができる施設も多く、気軽にお出かけができる部分も高く評価されています。
お子様でも楽しみやすい福岡市油山牧場(通称もーもーらんど)は、休日には家族連れで賑わうお出かけスポットです。
また、油山市民の森や西南杜の湖畔公園は、自然を全面的に感じられるため、休日を過ごす場所としては最適です。
多くの自然を感じられるスポットが点在しており、移住後でも楽しく暮らせる環境が整えられています。
城南区のおすすめエリアまとめ
城南区には、さまざまな特徴を持ったエリアが存在しますが、移住者から高く評価されているエリアには限りがあります。
ここからは、城南区に移住した方が移住前に一度は検索している「城南区の人気エリア」について簡単に解説していきます。
鳥飼
鳥飼は、城南区に位置していますが、早良区と中央区の良い部分だけを凝縮したような理想的な住環境が整っているエリアです。
まず、早良区で最も発展している「西新」が北西にあり、東側には近代的な街並みが特徴の「六本松」があります。
自転車で気軽にアクセスできる範囲に「大濠公園」もあるので、とにかく住みやすさに特化させたような街並みが特徴です。
住む場所に左右されるものの、地下鉄空港線「西新駅」と地下鉄七隈線「別府駅」の2つの路線を使い分けられるので、ファミリーに限らず一人暮らしの方にもおすすめです。
利便性の高さを重視する方や大濠公園の自然を感じたい方に適しています。
鳥飼の治安や住みやすさについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
実際に、鳥飼に住んだ方の口コミを中心に、犯罪発生件数や家賃相場、自然環境など、移住に必要な情報を細分化してわかりやすく解説しています。
福岡市城南区「鳥飼」の治安は良い?悪い?住みやすさを中心に福岡市民が解説します。
梅林
梅林は、城南区の中でも南側に位置しているエリアで、福岡大学の生徒を中心に、学生が多い場所として有名です。
大学生だけではなく、近くの梅林中学校に通う中学生の姿も見られるため、学生の街といった印象が強いです。
学生が多く、警察もかなりの頻度で巡回しているので、治安はそれなりに良い水準に保たれている反面、夜でも話し声や足音など、一定の騒音が確認されています。
地下鉄七隈線「梅林駅」は、大通り沿いに面しており、女性が一人で駅を利用しやすい環境です。
天神や博多にもアクセスできることから、自家用車を持っていない方にもおすすめです。
梅林の治安や住みやすさについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
実際に、梅林に住んだ方の口コミを中心に、犯罪発生件数や家賃相場、自然環境など、移住に必要な情報を細分化してわかりやすく解説しています。
福岡市城南区「梅林」の治安は良い?悪い?住みやすさを中心に福岡市民が解説します。
別府
別府は、昔ながらの商店街を中心に、再開発が盛んに行われている場所として、移住地としても人気が高まっています。
大規模な都市開発が行われた「六本松」の西側に位置している別府は、少なからず都市開発の影響を受けており、新築マンションの建設や道路の整備など、次世代型の街としても機能しています。
近くには、中村学園大学もあるので、学生の街としても有名です。
別府駅前の大通り(202号線)を少し離れると、一気に住宅街の雰囲気に変わるので、飲食店が多い場所と住宅街のメリハリがしっかりとある点も大きな特徴といえます。
ファミリーを中心に人気の街ですが、地下鉄七隈線「別府駅」が使えることから、一人暮らしの方にも非常におすすめです。
別府の治安や住みやすさについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
実際に、別府に住んだ方の口コミを中心に、犯罪発生件数や家賃相場、自然環境など、移住に必要な情報を細分化してわかりやすく解説しています。
福岡市城南区「別府」の住みやすさとは?治安を中心に福岡市民が解説します。
茶山
茶山は、城南区の中でも「ベッドタウン」の特色が強く出ている街の一つで、昼夜問わず静かに暮らしたい方に向いているエリアです。
地下鉄七隈線「茶山駅」を中心に、多くの一戸建て・マンションが並んでおり、住むためだけの街といったイメージがわかりやすいでしょう。
大通り沿いにサニー(スーパー)やセリア(100円ショップ)がポツンとあるだけで、他は住宅街に囲まれています。
近くに城南小学校や城南高等学校といった教育機関も充実しており、子育て世帯や一戸建てを建てたい方から非常に人気のエリアです。
静かな住宅街でゆっくりと過ごしたい方や一戸建ての購入を検討している方におすすめです。
茶山の治安や住みやすさについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
実際に、茶山に住んだ方の口コミを中心に、犯罪発生件数や家賃相場、自然環境など、移住に必要な情報を細分化してわかりやすく解説しています。
福岡市城南区「茶山」の住みやすさは?治安を中心に福岡市民が解説します。
七隈
七隈は、福岡大学に近いこともあり、大学生が昼夜問わず多く見られるエリアで、賑やかな街並みが特徴です。
昼夜問わず学生が多く、賑やかな雰囲気があるため、治安の悪さを直接的に感じることは非常に少ない印象を受けます。
ただ、夜中でも学生の声やバイクの音など、騒音に悩まされる人が多い部分は知っておく必要があります。
夜でも賑やかな雰囲気の方が嬉しい方や治安の良さを優先したい方にはおすすめです。
地下鉄七隈線「七隈駅」を利用すれば、天神や博多までアクセスできるため、自家用車を所持しにくい一人暮らしの方でも安心ですね。
学生の多さを優先したい方や賑やかな雰囲気が好きな方は、七隈が適しています。
七隈の治安や住みやすさについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
実際に、七隈に住んだ方の口コミを中心に、犯罪発生件数や家賃相場、自然環境など、移住に必要な情報を細分化してわかりやすく解説しています。
福岡市城南区「七隈」の治安は良い?悪い?住みやすさを中心に福岡市民が解説します。
城南区はどんな人におすすめ?
城南区のエリアをご紹介しましたが、基本的に「利便性の高さ」には定評がありました。
また、住宅街が並ぶベッドタウンとして機能している場所も多く、ファミリーが長く安心して暮らせるような街並みが特徴です。
ここからは城南区がどんな人におすすめなのかを解説していきます。
利便性を重視したい一人暮らしの方
地下鉄七隈線が利用できる「利便性」の他にも、城南区は家賃の安さにも定評があるエリアです。
地下鉄七隈線は、2023年3月の延伸工事が完了して以来、利便性が格段に上昇したため、一人暮らしに最適な場所として名が挙がるようになりました。
福岡市の中心部から離れていることもあり、家賃相場も比較的安く、移住しやすい環境が整えられています。
福岡大学や中村学園大学を中心に、多くの教育機関が並んでいるため、治安の悪さを直接的に感じにくい点も高く評価されています。
家賃を抑えつつ、地下鉄が利用できるエリアを探している方は、まず城南区のエリアから探してみることをおすすめします。
福岡市城南区で一人暮らしを検討している方は下記の記事をあわせてご覧ください。
福岡市で実際に一人暮らしをしている福岡市民が、福岡市で部屋探しをした経験や不動産屋に聞いた話を元に最適な部屋探しのタイミングをご紹介しています。
福岡市で一人暮らし用の物件を探すコツとは?福岡市で実際に物件探しをした社会人が解説します!
一戸建て・マンションの購入を検討している方
城南区は、茶山のようなベッドタウンが多く並んでいるため、永住の地として不動産を購入する方も多くいます。
上記でご紹介した通り、城南区は不動産を購入する際でも、価格を抑えやすく、金銭面でも移住を進めやすい特徴を持っています。
また、中古の一戸建てや土地が売り出される可能性も非常に高く、不動産の購入までを非常にスムーズに進められます。
子育てを中心に移住する場合、各エリアに教育機関が設置されており、安心して子育てができる環境です。
子供を遊ばせられるようなお出かけスポットや運動公園も多く、自然と触れ合いながらゆっくりと子育てをしたい方には最適です。
不動産の購入を検討しているファミリーの方や子育てを機に移住を検討している方は、城南区から移住計画を進めることをおすすめします。
城南区を中心に、家族で移住を検討している方は下記の記事も参考にしてください。
福岡への移住を失敗しないコツや福岡移住のメリット・デメリット、ローンの仕組み、住まいを相談できるサービスなど、家族移住に欠かせない情報をまとめてご紹介しています。
福岡移住のススメ。家族で移住する方に必要な情報を福岡市民が解説します。
まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介した城南区の特徴を下記にまとめています。
城南区の全体を見ると、治安が悪いと言われているようなエリアはなく、直接的に「治安の悪さ」を感じることはほとんどありません。
福岡大学や中村学園大学を中心に、多くの教育機関が並んでいる城南区は、とにかく学生が多く、住む場所によっては夜でも賑やかな印象を受けます。
家賃・マンションの相場が比較的安く、地下鉄七隈線が利用できることから、一人暮らしにもおすすめです。
他の行政区よりも多くの自然に恵まれており、自然と触れ合いながら子育てを進めたい方にも適しています。
多くの学生と自然に囲まれながら生活できる「城南区」に移住を検討してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。